ノーマライゼーション・教育ネットワーク会員通信2019年夏号

【代表】新井淑則   【事務局】岩井隆 〔ホームページ〕  URL:http://www.japan-normalizatio.com/ 連絡先〈 郵便 〉〒344-0041 埼玉県春日部市増富763-1 飯島気付             〈 電話 〉090―2441―0938(岩井)             〈メール〉rsj78162@nifty.com(宮城)

教育ネット第24回総会に参加しよう

日時 2019年7月27日(土)13時00分より28日(日)12時まで 場所 多摩障害者スポーツセンター   住所  〒 186-0003 東京都国立市富士見台2丁目1−1 電話 042-440-2238 プログラム 27日(土)  13:00〜13:15 受付  13:15〜13:45 開会のあいさつ 自己紹介 総会  13:45〜14:00休憩  14:00〜15:00 道徳の模擬授業 「いっぱい生きる」 全盲の中学校教師」 岩井  15:10〜16:10 話し合い  16:10       閉会の挨拶        連絡 17:00〜19:00 懇親会 居酒屋 28日(日)  9:00〜9:50 障害者雇用検証委員会、障害者雇用推進委員会最終報告のまとめ 森谷、飯島            9:50〜10:00 休憩  10:00〜 11:00 今後の取り組みと方向  11:00〜11:15 まとめ  11:15               閉会 *宿泊される方、宿泊費1500円、朝食代450円を徴収します *27日の集合について 中央線国立駅 12:00集合 送迎バスに乗り現地に移動します。 *懇親会は近くの居酒屋で実施 会費は3500円

第 2 4 回 定 期 総 会

教育ネットは、社会に、時代に、そしてあなたに問いかけます! それは、共に考えることを求めて  会員のみなさん、読者のみなさん! 教育ネットの第24回定期総会が7月の最終土曜・日曜日(7月27〜28) に開催されます。2019年度の活動の背骨や土台になるものが話し合われます。是非ともご参加くださり、 建設的なご意見をお寄せください。  2018年度を振り返り、2019年度を展望しますと、教育ネットにとって2つの特筆すべきことがあ ります。1つ目は昨夏に発覚した「水増し問題」です。2つ目は本会代表の新井淑則さんが中学校の教壇に 復帰するまでの歩みが本年4月から使用される道徳の教科書(学習研究社)の教材の1つとなったことです。 これらは教育ネットの在り方や活動を見直したり発展させる契機になるのではないかと考えられます。定期 総会では2つの企画を準備しています。それは、会員のみなさん・読者のみなさんと共に、この2つを考え、 教育ネットの歩みを確実に進めていくための問いかけです。共にこの問いかけをお考え下さい。    問いかけ1  埼玉県教委の水増し問題、どうなるのだろう? 2つの第三者委員会からの報告を読む  昨夏に政府の中央官庁を発端にして発覚した障害者雇用の水増しは、またたく間に地方行政団体にも波及 し、多くの都道府県でも同様な水増しがメディアでも報道されたことは記憶に新しいところです。教育現場 で働く障害がある教師の雇用についても例外ではありませんでした。2017年度には多くの教育委員会で 障害者の法定雇用率が達成されているとされていたものが、実は虚構で、砂上の楼閣のごとく崩れ去ってい きました。  これまで教育ネットは、障害のある教師が学校現場で働き続けることを支援してきました。必要があれば 教育委員会当局と話し合いを持ちました。同じ職場に働く先生方に応援していただいたこともあります。教 職員組合に支援を求めたこともあります。とにかく障害があっても1人の教師としてその能力を活かし働き 続けられるように支援してきました。それは同時に、学校現場が障害者にとって物的にも心的にも働き易い ところ・学び易いところに環境を改善することにもつながっていきました。そして、これまで障害があって は教師を続けること・教師になることは無理だとされて広がらなかった学校現場の障害者雇用の門戸を開け ていくことに教育ネットのそれらの一連の働きかけが微力ながらも影響を与えてきたと考えてきました。  ところが、私たちの活動の裏では教育委員会による障害者雇用の水増しは十数年あるいははるか以前から 継続されてきたという現実が立ちふさがっていたのでした。 (埼玉県教委との話し合いで判明、通信前号参 照)「教育ネットがやってきたことは何だったんだろう?」という無念の思い・足下をすくわれた思いでした。  この「水増し問題」で教育ネットが直接話し合いをした埼玉県教育委員会は2つの第三者委員会を立ち上 げ、今後の障害者雇用に関わる報告を求めました。本年2月にはその2つの委員会の報告が教育長に提出さ れました。そこには今後数年間の埼玉県教委の障害者雇用の方向の提言があります。と言って、それを手放 しで喜んでいる訳にはいきません。大切なのは、報告の内容とそれを実効あるものにしていくことです。ふ たを開けてみれば、「形のない水増し」が「形ある水増し=形だけの雇用」になっているだけだった、とい う事態もあり得ることです。  本年度の定期総会では、埼玉県教育委員会に提言されたこの2つの第三者委員会の報告を読み、その可能 性・問題点を話し合っていきます。また、「水増し問題」の背景なども広く考えていきます。是非、あなた のお考え・ご意見をお聞かせ下さい。    問いかけ2  新井淑則教諭が道徳の教科書に載りました どんな内容? どんな授業になるのだろう?  今年度から中学校では道徳が教科となり、授業では教科書も用いられるようになりました。新井淑則さん は学習研究社の中学1年用の教科書に、「いっぱい生きる全盲の中学校教師」というタイトルで山中守成さ んの記述によって実名で登場します。道徳の教材として以前からも福祉に関することや障害者の生活などが 副読本に載っていることはありました。が、実在する現役の障害教師が教材となるのは画期的なことです。 そして、学研の教科書を採択した全国の中学校では中学1年生がこの授業を受けることになります。この教 材で学ぶ生徒の数は、これまでの副読本で学んだ生徒の数の比ではないでしょう。その影響も大きなものが 考えられます。こうして学んだ生徒たちの障害や障害者への理解が深まることを期待するものです。また、 そのような方向に推進していかねばなりません。  会員からも、新井淑則さんの教科書掲載に賛同・共感する声が聞こえてきます。その中には、「道徳の教 科化は問題があるが、新井さんが教科書に載ることはいいことだ。」という意見も寄せられています。ここ で指摘されている道徳の教科化は、指導要領の改訂によって小学校では昨年度から中学校では本年度から実 施されています。教科になるということは、指導目標を定め、指導計画を立て、1人1人の子どもを評価す ることを意味しています。「道徳の教科化」が注視されるのは、道徳という規範によって個々の子どもたち の内面・心情を評価することへの疑問や危惧からなのでしょう。そうであっても道徳の授業は小中学校で確 実に続けられていきます。ならば、建設的な方向で疑問や危惧に対処すべきだと考えます。  みなさん、教材「いっぱい生きる全盲の中学校教師」を用いた授業を具体的に考えてみませんか? 本号 の巻末に道徳教科書の該当するページを転載してあります。どうぞこれをお読みいただき、「いっぱい生き る全盲の中学校教師」を教材とした授業の組み立てを考えてみて下さい。定期総会ではそれを持ち寄り、教 材の持つ力・授業の可能性などを探っていきたいと思います。そのために話し合いの前半に教育ネット会員 による「いっぱい生きる全盲の中学校教師」を教材に模擬授業を試行します。また、この「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」の筆者の山中守成さんをお招きして、助言者として話し合いに参加していただきます。 どんな授業ができるのでしょうか。有意義な話し合いにしたいものです。皆さんの積極的かつ創造的なご意 見をお聞かせください。

「私が好きな 私の写真」展 を開きました

                                   尾崎裕子  2019年 3月20日から25日迄、町田市フォトサロンに於いて、写真展を 開きました。デジカメを持って旅行をするようになってからの13年間に撮り貯めた のを自分でプリントして、55点出品しました。  カメラのことも撮影のことも全然勉強していません。サークルにも入らず、講師の 助言なども受けたことが無く、偶然に気に入ったのが撮れていると嬉しくなるという 単純な遊びです。こんな私が写真展を開くなんて、我ながら恥ずかしいと思いました が、こんなイベントでも開かないと、懐かしい人になかなか会えませんので、その ことを一番の目的に置いて、あれこれ準備を始めたのでした。  視覚障害を持つ75歳のおばあさんが写真展を開く という点に興味を持ったのか 読売新聞の多摩版に記事が載りましたので、概要はそちらを見て頂くことにします。  私の願いが叶い、たくさんの方々が来てくださって、感動の再会を実現することが できました。0歳保育をしてくれるところが無くて困っていた時に長男を保育してく れた方が千葉県から、更に、私が初めて担任した時の子ども(といってももう還暦を 過ぎている)が4人も来てくれました。そのうちの3人は、奥さん・ご主人・母上も 一緒に連れてきてくれました。のちに担任した子ども?が両親と来たり、両親だけで 来てくれたり、思いがけないほどの出会いが毎日続き、写真の話はそっちのけで、思 い出話に花を咲かせました。  教育ネットのメンバーが9人も来てくださり、何と初日には豪華な祝花まで贈り届 けてくださったので感激致しました。  職場の元同僚や中学・高校の同窓生・幼な馴染み等で、会場が空になる時が無いほ どでした。”人との付き合いを大切にしてきて良かったなぁ”と思いました。  聞いているのが恥ずかしくなるようなお褒めの言葉や、 「これが最後なんて言わないで、またやってください。」 というような励ましの言葉も頂いて、幸せをかみしめた6日間でした。 

「私が好きな私の写真展」の感想

                                   内沼浩美    3月23日(土)、長年に渡って教育ネットワークの会計担当をしてくれていた尾崎裕子さんが開催した、 「私が好きな私の写真展」に会員有志数名で伺いました。  髪をスカーフで覆った美しい3人の女性が写った案内のハガキをいただいた時は、正直、それまでのお付 き合いでの印象からは意外な思いがしましたが、一緒にいただいた挨拶文を拝読して、それまでわからなか った素敵な尾崎さんを知ることになりました。そこには、40代半ばでご自分の眼病が分かり、「これが最 後かもしれない・・・」という不安感や焦燥感を抱きながらも、「世界を旅すること」をライフワークとし て積極的に取り組んできたエネルギッシュな女性の姿がありました。  今回は、彼女にとって12年ぶり、2度目の写真展ということでしたが、その展示作品から、日本国内、 アジア、ヨーロッパ、中近東と、本当に数多くの国を訪れていることが分かりました。外国旅行に出かける だけでも大変でしょうに、還暦を過ぎてからデジカメにチャレンジし、誰にも教わらずにこんな素敵な写真 が撮れるなんて、と驚きと共に感動しました。  作品はすべて、彼女が“面白い”と感じたもの。私には写真の良し悪しはよくわかりませんし、とてもおこが ましいとは思いますが、奇をてらったようなものではないけれど、さりげない面白さや素朴さ、センスの良さ を素直に感じる素敵な作品が沢山ありました。  「気力、体力、視力が残っているうちに」「おそらく最後の写真展」と思い立っての今回の開催だったよう ですが、できれば次回の開催も是非楽しみにさせていただきたいです。